DM(ダイレクトメール)は、マーケティング手法として有効なのか?!
「お客様の来店数を増やしたい」「ECでの購入数を増やしたい(もしくは、利用者のCVRを高めたい)」日々悩まれている経営者の方、マーケターの方は多いのではないでしょうか。
さて、DM(ダイレクトメール)は有効な手法となり得るのか。
「DMって、高いよね!」「DM送ったって、ほとんど反応ないよね…」「DM(郵送)はコストが高く、ROI(費用対効果)に見合わない」そんなお声をよく聞きます。これまでにDM施策を実行された各社のマーケターの方にとって、「DMは効率が悪い」というのは一般的な見解ではないでしょうか。実際、DMはメルマガなどと比較すると、圧倒的にコストが高く、ROIも良くないと思います。では、DMはやはり取り組むべき施策ではないのでしょうか?
果たして、どうなのか。
「オンライン(デジタル)とオフライン(アナログ)の融合」
昨今のマーケティング・テーマの一つです。確かに、メルマガ(デジタル・マーケティング)は非常に有効なマーケティング手法の一つであり、是非取り組むべき手法だと思います。但し、それで十分なのかというと、答えは「No」です。
企業の立場でマーケティングを考えているとき、ついつい費用対効果の面であったり、手法を主語にして考えてしまいがちですが、やはりお客様目線を忘れてはいけません。あなたが企業のマーケターの立場ではなく、一人の消費者(ユーザー)のときの行動を思い浮かべてみてください。オンライン(デジタル)としか接触しない、ということは有り得なく、必ず「オンライン(デジタル)」と「オフライン(アナログ)」の世界を行き来しているはずです。
例えば、
■オンライン(デジタル)
・パソコンやスマホによる検索、SNS(Facebook・Twitter・LINE・Instagram)による情報交換・共有・メッセージ発信、メルマガの閲覧、動画広告(YouTube)の視聴、など。
■オフライン(アナログ)
・テレビやラジオの視聴、DM(お手紙)・新聞・チラシの閲覧、看板・交通広告の流し見、雑誌の購読、など。
いかがでしょうか?
お客様(ユーザー)は一日の中でもオンライン(デジタル)とオフライン(アナログ)の接点を繰り返していますよね。決して、オンライン(デジタル)だけの接点ではないのです。また、メルマガは読まずに削除するけど、ポストに入っていたDM(お手紙)は、何気なく開封して読んだ経験はないですか?
つまり、マーケティングにとって大事なことは「いつ」「誰に」「何を」「どのように」お届けするのか、です。
お客様(ユーザー)にとって、「欲しいタイミングで」「欲しい情報・内容を」「求める(気持ちが良い)届け方で」お届けることが最も重要になる、ということです。
話を戻しますが、メルマガはROIも非常に良く、DM(お手紙)はROIが悪いので、実施しない、で本当に良いのでしょうか?
さて、ここであなたに質問です。
貴社のメルマガの開封率は何%でしょうか?
BtoBマーケティングの世界ではよく20%ぐらいが平均的な開封率だと言われています。そうなると、メルマガでお届けできているお客様は全体の2割にしかすぎないのです。つまり、残りの8割のお客様には伝えたいことをお届けできていないことになるのです。
メルマガ(メールマーケティング)は非常に有効なマーケティング手法です。是非取り組むべき施策です。但し、メルマガは「ROIも良くて効率的」といった部分にばかり囚われていると、「木を見て森を見ず」状態に陥ってしまいます。したがって、マーケティング担当の方は、二つを軸に考える必要があります。
①2割のメルマガユーザーからいかにコンバージョン(CV)を高めるか、そして、その2割をどれだけ拡大させられるか。
=有効なマーケティング手法であるメルマガ(メールマーケティング)の効果最大化を追求すること。
②メルマガを求めていない(開封しない)8割のお客様にどうやってお伝えしたいことを届けるのか(アプローチするのか)
※この②を見落としている企業は多いのではないでしょうか。
メルマガ(メールマーケティング)にだけ固執してしまうと、メルマガを嫌う(メルマガによる情報提供を求めていない)お客様(ユーザー)には、いつまで経ってもあなたがお客様に伝えたいことを届けられないことになりませんか?
そんな中、マーケターが取るべき打ち手として「オンライン(デジタル)×オフライン(アナログ)の融合」が一つのヒントになります。オフライン(アナログ)には、DM(ダイレクトメール)・ファックス(FAX/FNX)・アウトバウンドコール(テレマーケティング)など、手法は様々ありますので、お客様をセグメンテーションしたときに、どの手法が、最も効果的なのか検討してみてください。
「オファーの視認性」と「効果の持続性」
では、オフライン(アナログ)手法の一つであるDM(ダイレクトメール)について考えてみたいと思います。メルマガとDMの大きな違いは二つあります。一つ目は、「開封(視認性)」です。メルマガはクリックしていただけないと勿論中身は読んでいただけないので、伝えたいことをお届けできませんが、DM(例えば、封書ではないハガキや両面印字)は、ポストから取り出された時に、開封(必ずチラッと目にとまる)されます。そこで、興味関心があるコンテンツ(オファー内容)であれば、その場でじっくり読んでいただけます。そして、二つ目の違いは「効果の持続性」です。メルマガは配信後、約一週間で効果がなくなる、というのが一般的ですよね。当たり前のことですが、よほどお客様(ユーザー)にとって、興味関心が高いオファー内容でなければ、数週間前のメルマガを掘り起こすという行為はほぼされないでしょう。一方、DM(紙)は、ちょっと気になるオファー内容であれば、手元に保管されます。そうすると、数ヶ月前のDMでも読み返される可能性が高まります。
DM(ダイレクトメール)の有効性については「MarkeZine Day 2018」でも登壇(お話し)させていただきましたので、是非こちらをご覧ください。
MarkeZine Day 2018 Spring のレポートはコチラ
※「オムニメディア」がこれからの常識 「カゴ落ちDM」ほかリクルート、ディノス・セシールのアナログ活用
MarkeZine Day 2018 Special powered by 日本郵便のレポートはコチラ
※2ndパーティデータを活用したDMとは?日本郵便×トップマーケターが語るデータドリブンなアナログ施策
「オンラインだけではなく、オフラインを織り交ぜることで、新たな顧客リーチ手法を実現」
デジタルとアナログを融合させる重要性についてお話していますので、ご参考までに是非ご一読ください。
オンライン(デジタル)マーケティングを中心に取り組んでいるものの、オフライン(アナログ)の掛け合わせをご検討されている方、もしくは、どのようにオフライン(アナログ)を活用すべきか悩まれている方など、お気軽にお問い合わせください。